【ブランディングコラム集バックナンバー】
◆コラム:「ブランディング戦略が有効な世代とは?」
考察2・・・富裕層・行動派シニアについて
近年、団塊世代の退職を視野に入れている企業はシニアに向けた商品展開に躍起になっていますが、上記の一般的なシニアに対して上手に消費を喚起することができている企業は案外少ないのではないでしょうか。
平均的なシニアは老後の生活に少なからず不安を抱えており、そのためお金を浪費するよりも貯めることに価値を置いているケースが多いこともあって、普通に新しい付加価値商品を売り込んでも購買に対する敷居は高いと思います。
ブランディング戦略が効果的だといっても一般のシ二ア層は基本的には「消費に消極的な傾向が強い」のは事実です。しかし、シニアの中でも「消費に積極的」な人たちも存在します。消費に積極的なシニアはいわゆる富裕層シニア/アクティブシニアと呼ばれる人たちであり、彼らがシニアの中でもよりブランディング戦略が有効な集団であると言えます。
この種のシニアは様々なものを経験し比較した上で物を選んでいます。深い商品知識と自身のこだわりを持っているのです。ただし、色々なものにお金を使って色々な経験をしたいと思っているため、基本的にはスイッチングコストは高くはありません。それによりロイヤルティも同様に低いように見られますが、彼らは様々な商品を比較検討した結果「本物」と認めれば一生の付き合いをしてくれるようになることもあります。
ここが一番大事なことですが、「売れるから富裕層シニアを狙う」程度の浅はかな考えで商品開発を行おうとする企業はすぐにメッキが剥がれてしまいます。もしあなたが商売に対し、商品に対し、本物のこだわりを持っているとしたら、本物を求める人たちから相応の評価を得ることでしょう。「本物の価値がわかる人に本物が認められる」これが本来のブランドが生まれる姿なのです。