【ブランディングコラム集バックナンバー】
◆コラム:「なぜあなたにブランドが必要なのか?」
(2)ブランドの正体とは、一体何なのか?
勉強熱心なビジネスマンであれば、一度は上記のような疑問を持ったことがあるかもしれません。あなただったら「ブランドとは何か?」という問に何と答えますか?
「ブランドってロゴやマークのことじゃないの?」
「ブランドがある会社って、知名度がある会社ってことだよね。」
「見た目を繕えばブランドになれるんでしょ?」
「ブランドはマスコミに報道されれば作れるものである。」
私が見る限り、的確にブランドの本質を捉えている意見や議論は少ないように感じます。それらのブランドに対する見解は多くの誤解や“神話”を生んでいます。(物事の「本質」は一見ものすごくシンプルに見えます。簡単すぎるからこそ表面的な理解しかできず、それが持つ深い意味を理解することができないのかもしれません。)
●ブランドの“本質”とは?
一番重要なことをもったいぶらずに述べますが、ブランドとは商品や組織に対する消費者や顧客など全ての利害関係者からの評価であり、この会社なら私が求めるもの(価値)を確実に提供してくれるという約束・信頼の形です。
もちろんその「価値」の中身は会社によって千差万別です。また、それを求めるお客様の趣味趣向も千差万別。ただ、どのブランドにも当てはまる共通点は、彼らが「顧客が求めるものの以上の価値を提供」しており、またそれが「ほかでは手に入らないもの」であり、「顧客との的確なコミュニケーション」が十分にでき
ており、「これらのことを一貫性を持って継続して行うこと」ができています、これがブランドになる最低条件です。
そうやって消費者の中にブランド価値を創りあげることができれば、値段が高くてもお客は商品を買うようになり、さらには商品・企業に対し「憧れ」を持たせることも可能です。
ブランド作りとは、「あなた」と「あなたが扱う商品」と「あなたの会社」がお客様にもたらすことができる“価値”の質を向上していくことを一貫性と統一性を持って行う作業です。「商品やサービスの中身を十分に磨いてから、その良さを伝えていく」「期待以上のものを提供する」という姿勢は、近年流行している「実際の品質以上の謳い文句を広告などで表現することで集客していく」マーケティングの手法とは少し異なります。
目先の利益にとらわれず、自社の付加価値(魅力)をいかに高めていくことができるか?これができて初めてお客様があなたに対して本当の意味で信頼を抱くことができ、社会に対して大きな経済価値をもたらす会社として評価を得ることができるのです。
自分の目先の利益に囚われず他人の利益を真っ先に考えて商売を行うことで、お客様から支持を得ることができそれが巡り巡って最終的に自社の利益につながるという商売の基本を忘れないことも正しくブランドを構築するためのひとつの鍵となるかもしれません。
●ブランドの本質が頭ではわかっていても、それを実行するのが難しい。
ブランドとは何を指すのか?ブランドのある企業とはどういう企業のことをいうのか?がわかったからといって、ブランドになれるわけではありません。理屈を理
解することは誰にでもできますがそれを実行に移すことができる人は一握りしかいないからです。お客様と交わした「約束」を守り「信頼」を確保し続けることなど、(普通に考えれば)並大抵の努力ではずっと継続して行うことなどできません。
ブランド構築を目指しても挫折してしまう(成功しない)企業は多く見られますが、「その会社が創ろうとしていたブランド(理想像)が、自社の本当の姿(現実)と大きな隔たりがあり、お客様と約束したことを企業が継続して守れない」のと「ブランドを創ることがどれだけ価値があることなのかを認識していないため継続する意欲が失せてしまう」ことがその大きな要因です。
あなたはブランドになることでどのような利益がもたらされるのかを理解していますでしょうか?一度もブランドとして評価された経験がない人やブランドのある企業に働いたことの無い人はブランドから得られる利益がどんなものか具体的に感じることはできないかもしれません。
「やるべきこと」はわかっても、「その先にどのような素晴らしい世界が待っているのか」を具体的にイメージできなければ、やる気は続くはずもありません。
いうまでもない当たり前なことですが、ブランド構築は「やらされて行う」ものではありません。社長を中心として社員全員が一丸となって愉しみながら行うことができるものでなくてはなりません。
そのためにはブランドを構築することで自社にどんなに素晴らしい明日がもたらされるのか?をイメージしながら、日々小さな成果を感じながら取り掛かる必要があるのです。
次はあなたの企業がブランドになることでどのような素晴らしいメリットがあるのかについて述べていきたいと思います。