【ブランディングコラム集バックナンバー】
◆コラム:「なぜ、あなたにブランドが必要なのか?」
(1)これからはブランドの無い会社は生き残ることができない。
●「今までと同じやり方では商売がうまくいかなくなってきている・・・」最近、そんな風に感じてしまうことはありませんか?
バブルの崩壊後、「不景気」と呼ばれる時代が続いてもう何年が経つでしょう?
都会の景気は良くなりつつあると言われていますが、地方に赴けばそれとは程遠い現実を目の当たりにすることが多いのが実情です。
ここでひとつお伺いしたのですが、あなたがもし「今の日本(自分たちの住む街)はなぜ景気が悪いのか」と問われたら何と答えるでしょうか?
「国や地方自治体の財政が悪いから」
「格差社会になってきているから」
「少子高齢化の時代だから」
「公共事業が減っているから」
「税金が高くなっているから」
「業界に不利な法改正があったから」
「競争が激しくなってきているから」
他にも様々な要因をあげることはできると思います。ここで私が何を申しあげたかったのか?それは・・・もしこれを読んでいるあなたが経営者の立場の人間だとしたら、「このような答えをしているようではどうしようもない」と言わざるを得ません。自分たちが事業をしている地元の町の景気が悪い事を他人のせいにしてしまうようでは経営者として失格だと申し上げたいのです。
「今は景気が悪いから仕方が無い。」「景気さえ良くなってくれれば・・・」という言葉を経営者の口から耳にすることがいまだにありますが、そのような当事者意識に欠け周囲の環境が改善されることに頼っているようでは、失礼ですがそのような方の会社の景気は決して良くなることはないと思います。今自分が置かれている環境(現実)を受け入れて、その状況下でどうやって現状を打破していくか、知恵を絞って実行していくことこそが経営者の役割であることを忘れてしまってはなりません。
●不況の本当の原因は、消費者の気持ちを理解し切れていない経営者にある。
今の日本は景気が悪いから物が売れないのではありません。「物が売れなくなったから景気が悪い」のです。物が売れなくなった一番の理由は、モノが不足していた高度成長期の時代から社会がモノあまりの時代に移行したことで、すでに十分な豊かさを手に入れてしまった消費者が、今までと同じ程度の機能しか持たない商品にこれまでと同等の価値を感じることができなくなってしまったことが原因です。
(インターネット環境の急激な発展により消費者が本来プロであるはずの
売り手と同等もしくはそれ以上の知識を得ることが可能になっていることも、商品の相対的な価値の低下につながっている大きな原因です。)
消費者が消費にこれまで以上の価値を求め続ける社会の中で、今までと同等の価値の商品しか提供できずにいる企業は、当然商品の値段を下げることでしかお客様が感じる価値とのバランスを取ることができなくなります。
価格競争に巻き込まれることは自分の首を絞めることを理解していながらもそこから抜け出す術を知らない、もしくは「抜け出す」選択肢があること自体に目を向けようとしない(人間はたとえその先により良い世界があることを理解していたとしても「変化すること」を嫌い「現状維持」を続けようとする習性があります)中小企業経営者が多いことが日本が不況から抜け出せない一番の原因ではないかと思えてなりません。
人がいくら変化を嫌う生き物だと言っても、「消費者が企業に求めるもの」というものは残念ながら時代によって常に変化していきます。どんなに今売れている商品であっても代替商品の台等により遅かれ早かれ寿命を迎えることは今後どのような時代になっても変わることはありません。
さらに、近年はそのサイクルが急激に早まっています。買い手の価値観の変容と共に企業のあり方も変化せざるを得ないことを理解し、事業を行うにあたって「変化」していくことが当たり前なことであることを認識しない限り、あなたはきっといつまで経っても自分の会社の景気を良くすることはできません。
このように、一人一人の経営者が「今景気が悪い原因」もその「解決の糸口」も自分たち自身が持っていることを理解して立ち上がらない限り、格差が無くなり日本全体の景気が本当の意味で良くなることはないのではないでしょうか。
●あなたは今までの自分に後ろめたさを感じる必要も、将来に対して悲観的になる必要もありません。
あなたは今までうまくいかなかった現実に対してどうすることもできなかったことを後悔する必要も、これからの未来を悲観的になる必要はありません。自分が今
置かれている状況から逃げ出さずに直視し、しっかりと向き合うことで自身が歩むべき道は明確になっていくはずです。「気づいたときがスタート」で良いのです。
前向きな意識を持った後は、具体的にどうすれば良いかを考える段階に進むわけですが・・・
今の時代はいかに新しい商品を作り続けていくかを考えていけば良い時代でも、いかにお客の数を多く集め商品をたくさん買ってもらうかを考えていけば良い時代でもなくなりました。
これからの時代は「社会・顧客が潜在的に必要としているものを的確に把握し、期待以上の商品の付加価値をいかに提供していく」ことができるか否かが企業発展の鍵となります。それを実現するために絶対に欠かせないものが、企業の「ブランド構築」なのです。